小さなチーム、大きな仕事

37signalsという会社はRuby on Railsぐらいしか認識してなかったんだけど、企業内システムなんかも開発、販売しているということで、どんな内容なのかなと興味が沸いて読んでみた。全体的な内容としては、以前読んだEric Sink on the Business of Softwareに似た印象を受けた。
Eric Sink on the Business of Software - HDIF?

小さなチーム、大きな仕事―37シグナルズ成功の法則 (ハヤカワ新書juice)

小さなチーム、大きな仕事―37シグナルズ成功の法則 (ハヤカワ新書juice)

彼らはフォーチュン500に売り込む必要があるという。知ったことか。僕たちはフォーチュン5000000に売っている。

顧客の意見はいいことばかりとはかぎらない。何人かは追い払うことになるだろう。彼らは、傲慢で高飛車だとあなたを責めるだろう。それも人生だ。愛してくれる人がいれば、憎む人もいる。誰もあなたの言うことに腹を立てないのなら、おそらく押しが足りないのだ(多分つまらないのだろう)。

何かを信じるということは書くだけではダメだ。本当にそれを信じ、その通りに人生を送ることだ。

一度にサービスに携わる人間は、一人もしくは二人だけにしているのだ。そして、つねにサービスの機能は最小限にとどめている。このように自身に制約を課すことで、あいまいな形のサービスを生み出さないようにしているのだ。

芯の部分を見つけ出すのだ。どの部分が切ってはいけないところなのか?これやあれがなくてもやり続けていけるのであれば、それらの部分は芯ではない。それを見つけた時、「それだ」と思うだろう。そうしたらその部分を最大限に引き出すべく、エネルギーをすべて注力するのだ。

一つの部屋に世界中の芸術作品を置くだけでは、博物館とは言えない。それは、倉庫だ。博物館をすばらしいものにするのは、壁に何がかかっていないかなのだ。

あなた自身を商品、そして商品のまわりにあるものすべてに注ぎ込もう。どのように販売するのか、どのようにサポートするのか、どのように説明するのか、そしてどのように伝えるのか。競合相手は製品の中にあるあなたまでをコピーすることは決してできない。

競合相手を打ち負かすには、なにごとも相手よりも「少なく」しかないのだ。簡単な問題を解決して、競合相手には危険で難しくて扱いにくい問題を残す。ひとつ上を行くかわりに、ひとつ下回るようにしてみよう。やりすぎるかわりに、やっていることが相手以下となるようにしてみよう。

顧客があなたを追い抜けるようにすると、ほとんどの場合、基本的な製品に行き着くだろう。それで構わない。小さくて、シンプルで、基本的なものへのニーズは不変だ。

観客をつくるということは、彼らが興味を持ってくれるということであって、人々の注意を買うのではない。

何かコミュニケーションの手段があるのなら、マーケティングはできる。
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マーケティングは独立した出来事ではなく、日々やっているすべてのことの集まりなのだ。

あえて制約をもうけ、シンプルに、規模を小さく保ったままでビジネスをうまくまわしている。自分が普段接しているソフトウェアの世界では、製品の多機能性にフォーカスし、利用ユーザの拡大を狙う戦略が常、のようなイメージを抱かざるをえないだけに、こうしてあえてターゲットを絞ったソフトウェアの作り方、使われ方は非常に新鮮に感じる。