DropboxファウンダーがYCへ提出したアプリケーション

via ジョブスからのオファーを蹴ったドロップボックスのファウンダーDrewのYCアプリケーション - karasuyamatenguの日記
オンラインでファイルを保存できるサービスを提供する、Dropboxっていう会社がある。

Dropbox は写真、ドキュメント、ビデオをどこにいてもアクセスできるようにするためのサービスです。Dropbox のフォルダに保存したファイルは自動的に他のコンピュータ、携帯端末、さらに Dropbox Web サイトにも保存されます。
Product Overview - Dropbox

2008年に正式公開されたサービスで、最近巨額の資金調達をしたことで、あらためてフォーカスされている様子。

クラウドサービスのDropboxが第二段階として2億5000万ドルの資金を調達した。
【Infostand海外ITトピックス】次の段階に進むDropbox Jobs氏のオファーも断っていた - クラウド Watch

Dropboxは、2007年の段階でベンチャーキャピタルで有名なY Combinator(YC)から投資をうけていたんだけど、この際、創業者のDrew HoustonがYCに提出したアプリケーションが公開されていて、非常に面白かった。
http://dl.dropbox.com/u/27532820/app.html
YCがリストした質問項目をざっと紹介すると、

# What is your company going to make?

何を作ろうとしているの、というベーシックな質問から、

# Please tell us in one or two sentences something about each founder that shows a high level of ability.

創業者が高い能力をもっていることを示して、と自身のアピールを求める。
もっと具体的なところまで踏み込むと、

# What's new about what you're doing?
# What are people forced to do now because what you plan to make doesn't exist yet?
# What do you understand about your business that other companies in it just don't get?

何が新しいのか、それがないことで、現在、ユーザーはどんな状況を強いられているのか。
あるいは、同じ領域で他社ができていないと思うことは何か。

# How will you make money?
# Which companies would be most likely to buy you?

どうやって儲けるのか、買われるとしたら、どの企業か、というお金にまつわる質問。

これらのシンプルだけど本質的な質問に対して、DropboxのDrew Houstonは要点をまとめて非常に的確に答えている。例えば、Dropboxが狙う領域に対して、今現在どのサービスもできていないと思うことを問われると、Houston氏は、既存の製品がユーザーに手動でのアップロードを求めたり、オフライン機能の不在やバージョン管理ができないことを述べた上で、Dropboxでできることを以下の一文で簡潔に説明する。

With Dropbox, you hit "Save", as you normally would, and everything just works, even with large files (thanks to binary diffs).

というように、Dropboxを知っていれば当然興味深く読めるし、知らなくても、英語でのアピールの仕方について勉強になる。それを差し引いても、世界のトップレベルのエンジニアが、著名なベンチャーキャピタルから資金を得るにあたって提出したアプリケーション、というだけで、十分面白く読めるものだと思った。