オープンソースがビジネスになる理由

オープンソースがビジネスになる理由

オープンソースがビジネスになる理由

昨日ぶらっと入った図書館で見かけたので、借りて読んでみた。著者の米持さんは、金曜日のデブサミクラウド関連のパネルディスカッションをしていた方。
さささ、とオープンソースやその成り立ちについて触れていて、興味深く読めたんだけど、気になる点があった。

フリーソフトウェアの語源は「フリー」な「ソフトウェア」という言葉である。「フリー(free)」という言葉には「無料の」という意味と「自由だ」の両方の意味があるが、日本では基本的に「無料の」という意味だけが適用されていると思われる。つまり、日本でフリーソフトは「無料のソフトウェア」ということになる。
ところが、フリーソフトを初期から始めた人たちのなかには、「フリー」を「自由な」という意味で始めた人たちもいた。
(略)
それはともかく、日本ではフリー・ソフトウェア、あるいはフリーソフトという言葉は「無料のソフトウェア」ということでここでは話をすすめたいと思う。

ばっさりと「フリー = 無料」としちゃってる。

フリーソフトウェアと自由な社会 ―Richard M. Stallmanエッセイ集

フリーソフトウェアと自由な社会 ―Richard M. Stallmanエッセイ集

を同じ箇所で引用していたり、
ハッカーズ

ハッカーズ

なんかでその背景は語られてるのになあ。


と思ったら、Matzにっきで4年前に突っ込まれてた。

「無料」はオープンソースにとっても、フリーソフトウェアにとっても重要な目的ではなく、目指すものでもない。そんなものを目指す人がいるのかかなり怪しいが、(略)
うーん、ストールマンが怒り狂いそうなことをさらっと書いてるなあ。
Matzにっき(2005-07-28)


ここらへんを追っていて最近感じることは、ビジネスの世界こそ、「自由な」ソフトウェアが介入することに強い意味があるのかも。ビジネスの仕組みがちょこっと変わる。既存のパワーバランスに変化が起こって、全体のパイの質が変わる。結果、豊かさの質が変わって、それを享受できる人が増加する。
そんな瞬間を目の当たりにしてみたいし、立ち会いたいなあと感じる。