better place

バッテリー交換式の電気自動車のためのシステムを提案している、better placeというアメリカのベンチャーがある。日本法人もあって、横浜は元町・中華街駅からすぐの場所で、バッテリー交換の実証実験イベントをやってたので、見に行ってきた。
元々は、id:phoさん、id:shiumachiさんがエントリで紹介されていたことがきっかけ。

本社CEOのShai Agassi氏は、SAP社でCEO目前まで上りつめ、突如退職してこのベンチャーを始めたらしい。TEDのスピーチを聴いて、へぇ、とか思ってたんだけど、先日同期と喋ってたら、同じようにTEDを見たとのことで盛り上がり、早速見に行ってきた次第。
Shai Agassi: A new ecosystem for electric cars | TED Talk

で、電気自動車だけど、想像通りシンプルでわかりやすかった。特に撮影禁止とか言われなかったので、撮ってきた。

電気で動くとなると、電池の充電が問題だけど、子ども用のおもちゃの車よろしく、電池を交換しゃおうという発想。街中にステーションがあって、そこで交換、充電はステーションでしておきます、て話。もちろん、通常の充電用スポットも用意される。
イベントでは、バッテリー交換のデモを見てきた。
デモ用に車体が高いところにあって見やすくしているけど、実際には地面に埋まっている。



バッテリは両手で持て"ない"ぐらいの大きさ。こいつを自動車にはめつけ、固定する。

ステーションでは、入ってきた車のバッテリを取り外し、充電済みの電池をはめてやるだけ。デモを2度やったんだけど、どちらも1分30秒程度だった。非常に静かだったのが印象的。

こちらは充電用の装置。自宅のガレージに置けて、深夜にゆっくりと充電する。急速充電装置もあるんだけど、バッテリの消耗が激しいとのこと。お姉さんが教えてくれた。ドライバは個人認証用のICカードを使って充電を行う。

ステーションとスポットの使いわけとしては、長距離運転用にステーションでのバッテリ交換を、近距離運転用に、スポットを利用してまめに充電、といったところ。

ビジネスモデルとしては、消費者が自動車メーカから購入した電気自動車の、バッテリ部分をbetter placeが買い取る。消費者は、better placeからバッテリを借り、走行距離に応じて課金するしくみ。ケータイ電話を想像してもらえるとわかりやすいとか。バッテリのメンテナンスは全てbetter placeが請け負うため、消費者が気にかける必要はない。
また、better placeが開発したシステムが、どの車のバッテリ残量がどれだけあるかを常に把握しており、バッテリ残量の少ない車が周りに多いステーションでは、バッテリの急速充電を行い、交換に備える。逆に、バッテリ残量の少ない車が周りに少ないステーションでは、ゆっくりと充電を行う。なお、ステーションでのバッテリ交換もすべてシステム上で管理されている。

現在提携している自動車メーカは、日産、ルノーらしい。トヨタとか、ホンダといった名前は一切出て来なかった。難しいのかな。導入先として、日本ではタクシー業者から話が進んでいるらしい。バッテリ交換のステーションはどうするんですか、て聞いたら、ガソリンスタンドの跡地かな、なんて話をした。不況ですもんね。

感じたこととして、日本みたいにすでにガソリン車のインフラが整っている国で普及するのは足かせが多そうということ。途上国にすんなり導入して、世界をがらりと変えてしまうと面白いんだけど。


このイベントは6/20まで毎週末催しているので、興味があればどうぞ。時間もとられないし、面白いと思う。
http://www.betterplace.com/japan/event/general-session/