希望の国のエクソダス
- 作者: 村上龍
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2002/05/10
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どういうわけか日本ではコミュニケーションが薄まってしまう。個人としての話を聞くことがほとんどない。
P.52
自分が身を置いている環境は往々にして、対個人としての関係性が薄まってしまいがち。組織の論理や、体裁のフィルタをかけた主張に重きが置かれるからなんだろう。会社員として、企業の利益を担って生きる中でしょうがない部分はあると思うけど、はっと気づかせてくれる。それが関係性の全てではないことに。
自分たちにとっては当然でも、相手が違えば、当然のことではなくなる、ということにはなかなか気づきにくいんだよね。大前提があって、共通のイメージがあって、あ、うん、の呼吸で分かり合えるほうが楽に決まっているもんね。
P.122
他の人間にとっては当たり前のことが自分にはわからないとき、おれたちはそのことをつい疑ってしまう。そうしないと不安だからだ。
P.155
相手のことがわからないからこそ、その溝を埋めるように努める。相手を理解する。単純じゃないことを受け入れる。それが、本当のコミュニケーションだと思う。
ゆっくりと死んでるような気分かな。
P.175
ぞくっとした。
生き延びるために才能を発揮している。
P.189
cleverとは違うこの感覚。大事にしたい。
日本では酒の席でペーペーがビールや日本酒を相手に注ぐだろう。ヨーロッパでは逆なんだよ。その席を仕切る一番偉い奴がみんなにワインやシャンパンをサーブするんだ。サーブされることよりサーブすることが贅沢なんだよ。
P.225
個人的にしっくりきた。
危機感だけがものごとを考える力を生む
P.235
村上龍が、長年絶えず主張している言葉だ。危機感、今の自分は持っているだろうか。どこか、安穏としていないだろうか。
こんな言葉達が、あちこちに点在している。それも絶妙なコンテキストで。
- 作者: 村上龍
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